<風栗のクリスマスプレゼント>
今日は12月24日クリスマスイブです。
風栗はいつも街の人たちに迷惑をかけているので、何かお礼をしたいと考えていました。
「う〜ん、何をすればいいかな…」
風栗はあれこれ考えてみましたが、なかなかいいアイデアを思いつきません。
「やっぱり、クリスマスといえばプレゼントだよね!」
街にやってきた風栗は巨大化しました。服はなぜかサンタバージョンになっています。
「さてと…プレゼントは何にしようかな?」
仁王立ちの風栗は街を見渡します。
「決めた!」
風栗はビルを蹴散らしながら駅にやってきました。
特急も止まる大きな駅なのでたくさんの電車がホームに停車中です。
「大漁!大漁!」
風栗は片っ端から電車を掴み上げて袋の中に入れていきます。
ちょうど駅に進入してきた電車も袋の中に消えていきました。
ホームや駅ビルは風栗によってメチャメチャに踏み荒らされていきます。
イブの夕方で大混雑の駅はパニックになりましたが、風栗は足元の騒ぎなど全くおかまいなしです。
「まだ、足りないや…」
電車を全て袋詰した風栗は駅前のバスターミナルに目をやりました。
「バスもいいね」
駅前ロータリーにしゃがみこんだ風栗は客待ちをしていたバスを次々と捕まえていきます。
「もう少し…」
風栗は駅前の大通りに出ると思いっきりジャンプして着地しました。
凄まじい衝撃が街中に広がり、走行中の車やバスが横転したり電柱に激突していきます。
そんな車やバスを風栗は次々と拾い上げて袋に投げ込んでいきます。
袋はすぐにいっぱいになりました。
「これでよし!」
そう言うと風栗は袋を担いで隣町に向けて歩き出しました。
足元の雑居ビルはなすすべもなく風栗に踏み潰されていきます。
「このあたりでいいかな? じゃあ…」
風栗はごそごそと袋の中から電車を取り出すとイブで賑わう街に向けて放り投げました。
「ボクのプレゼント受け取ってね!メリークリスマス!」
風栗がプレゼントを配り終わる頃にはすでに隣町は潰滅していました。
2001/12/24