<光線でビルを粉砕する巨大少年>
ふぐりのベースとなった「ウルトラふぐりん」(笑)の作画がスケッチブックに残っていましたので彩色してみました。
今のふぐりんは光線を出しませんが、当初の設定では光線をバリバリ出して街を破壊する予定でした(笑)
この線画は初期設定のラフ画を参考に2002年5月頃に描いたものです。(多分)
A市が巨大少年によって潰滅させられてから1週間経った日の午後、今度はA市から100キロほど離れたB市に突然少年が現れました。少年は街の一番大きな目抜き通りに降り立つと仁王立ちになって足元に広がる街並みを見下ろしました。そして街中に響き渡るほどの大きな声で叫びました。
「これから10数えたら攻撃を開始するぞ!」
少年の突然の宣戦布告に街は大混乱に陥りました。そんな光景を少年はニヤリと見ながらカウントを始めました。
「い〜ち、に〜い、さぁ〜ん…」
少年は間を置きながらゆっくりと数えていきます。道路は見る見る間に渋滞していき、歩道は逃げ惑う人々でいっぱいになりました。
「…きゅ〜ぅ、じゅうっ!!」
数え終わると同時に少年は向かいのオフィスビルを右足で蹴り付けました。ビルは轟音と共に砂煙を上げて崩れ落ちていきます。破片は渋滞する車の列に次々と降りかかりあちこちで爆発が起こりました。
「あはは…もろすぎるな…これじゃボクのホントの力が分からないなぁ」
少し不満そうな表情を浮かべた少年は通りに面したビルに次々とキックを浴びせていきました。少年は数十棟のビルをあっという間にキックでしとめていきます。
「まだまだっ!」
少年は通りからビル街に足を踏み入れるとひざ下に満たないビルを蹴り散らかし始めました。
「おらおら!みんな潰してやるよ!」
凄まじい少年のキックにビルは次々と爆砕されていきます。少年の容赦のない攻撃によってわずか20分間でこの街の商業地区はほとんど壊滅状態になりました。
「これで片付いたな…」
一息ついた少年が煙の立ち上るガレキの山を見回すと一軒の12階建てのマンションに目がとまりました。どうやら少年が蹴り漏らしたようでわずかに傾いていますがほとんど無傷です。
「運がいいやつにはご褒美をあげなきゃね…」
少年は左ひざをついて構えると右手をマンションに向けました。しばらくすると淡い光が右手に湯気のように集まり始めました。
「くらえっ!」
少年が叫ぶと同時に手のひらから一筋の光線が発せられたかと思うと、次の瞬間マンションを貫いていました。マンションは軽くしなった後に外壁を明るいオレンジに変えながら最上階から爆発し崩壊していきました。
燃え上がるマンションのガレキを見ながら少年は満足そうな笑みを浮かべるのでした。
(おわり)
2003/02/18