ウルトラマンクスに「友達にならないか?」と勧誘されるトラジマくんです。
ウルトラふぐりんは可愛い子が好きなので、トラジマくんを気に入ったようです。
<以下SSです>
「街を壊すのはやめてください」
トラジマくんは座り込んで雑居ビル群を破壊しているウルトラふぐりんとウルトラマンクスに注意をしました。
少しかん高いボーイソプラノの声に2人の手が止まりました。
「アイツ、だれ…?」
「さぁ…!?」
2人の視線はトラジマくんに注がれました。
「あなた達の破壊行動で市民の皆さんが迷惑しています…」
トラジマくんは少し緊張気味なのか声が震えています。
ウルトラマンクスは立ち上がると足元の雑居ビルを踏み潰しながらトラジマくんに近づいていきます。
「だから、街を壊さないで…」
近づいてくるウルトラマンクスにトラジマくんは身構えました。
「それ以上、近づくと…」
トラジマくんは焦りました。相手は凶悪な宇宙人です。どんな攻撃を仕掛けてくるか分かりません。
ところが、ウルトラマンクスは攻撃する様子もなくズカズカとトラジマくんの横にやって来ると、トラジマくんの肩に腕を回しました。
「なぁ…オレ達と友達になんない?」
「えっ…!?」
予想外の展開にトラジマくんは言葉をなくしました。
「お前、この星の巨人だろ? だったら仲良くしようぜ!」
どうやら、ウルトラマンクスはトラジマくんがヒューマノイドということに気付いていないようです。
「ねぇ、キミ! 可愛いねぇ〜なんて名前なの?」
「えっ?」
トラジマくんが振り返ると、いつの間にかウルトラふぐりんが横に立って微笑んでいます。
「ねぇ、名前は?」
ウルトラふぐりんはトラジマくんに抱きつきました。
「あ、あのっ…ボクはトラジマくんです…」
トラジマくんはどうしてよいのか分からず、名前を答えるだけで精一杯でした。
「オレは、M5656星からやってきたマンクスって言うんだ。で、そっちがふぐりん。よろしくな!」
「…あ、はいっ。よろしくお願いします」
トラジマくんは素で返事をしました。
「なぁ、オレ達といっしょに遊ぼうぜ!」
「そうそう、遊ぼうよ!」
「…えっ、でも…」
2人の呼びかけにトラジマくんは困惑の表情を隠しきれませんでした。
2007/04/26