ウルトラふぐりんとウルトラマンクスは夏休みを利用して寅島市に遊びにやってきました。
M5656星の少年達も夏は日焼けしているようですね。
<以下、SSです>
「あー、小人がたくさん泳いでる!」
ウルトラふぐりんは足元の小学校のプールを指差しました。
夏休みということで開放されたプールには地元の小学生達がたくさん集まっていました。
「オレ達と同じぐらいの年齢かな?」
興味深そうにウルトラマンクスはプールサイドに股を開いてしゃがみこみました。
突然、現れた2人の巨人に泳いでいた小学生達はパニック状態になり、我先にプールから上がり逃げ出し始めました。
「おっと! 逃がさないよ」
ウルトラふぐりんはすかさずブーツで逃げ道をブロックして、プールサイドに取り残された子供達を両手で覆いかぶせます。
そのあまりの衝撃にほとんどの子供達はひっくり返り動きを止めました。
「ふぐりん、こいつらを捕まえて夏休みの自由研究のネタにしようぜ!」
「うん。それ、いいねー」
ウルトラマンクスはまだプールに残っていた少年をつまみあげました。
少年は逃げ出そうと必死でもがきます。
「おとなしくしろよ!」
そう言ってウルトラマンクスが指先にほんのちょっと力を加えると、ぶちっ…と鈍い音とともに指先が赤く染まりました。
「あー、ダメだよ。潰しちゃあ…」
ウルトラふぐりんは笑いながらウルトラマンクスに話しかけます。
「ちぇっ! 力の加減が難しいんだよなー」
ウルトラマンクスは特に指先を気にする様子もなく、つまんでいた小さな肉塊を投げ捨てました。
「次はコイツだ!」
巨大な指先がひとりの少年に狙いを定めて襲いかかります。
「うわーっ、た、助けてぇぇぇ!」
必死の叫びもむなしく少年の身体は空高く舞い上がっていきました。
「よーし、つかまえたぞ!」
ウルトラマンクスは得意気にウルトラふぐりんに見せつけます。
「今度は潰さないでよ。持って帰るんだから」
ウルトラふぐりんは少し意地悪そうな顔をして釘をさしました。
「分かってるって!」
ウルトラふぐりんの言うことを半分耳にしながら、ウルトラマンクスはもうひとり少年をつまみあげました。
2007/08/22