「クリスマスプレゼント」

クリスマスの日…
中学生になったふぐりんは、クリスマスプレゼントをもらうことはなくなりましたが、
その代わりに自分のおこづかいで季節の節目ごとに、競泳パンツを購入するようになりました。
「今回は2着買っちゃったんだよね〜 2着目を見てみるか…」
ふぐりんは買った1着目を試着していました。
「あれ…もう1着は…」
しかし、もう1着目はどこを探してもありませんでした。
途方にくれたふぐりんは、部屋を飛び出しました。
「本当にどこに言ったんだろう? どこで落としたのかな…」
家中を探していたふぐりんは、ついに自分の妹の部屋の前に来ました。
部屋をノックしたふぐりんは、自分の妹が裸エプロンになっていることに気がつきました。
「ねえ、あきな… 僕の新しい競パン、知らない?」
ふぐりんはだめもとで聞いてみました。しかし…
「新しい競パンって…これのこと…」
「そう、それ…って…えっ?」
ふぐりんの探していた競パンはふぐりんの目の前にありました。しかし、そのとき妹は自分のエプロンをめくっていたのでした。
「だってお兄ちゃん、わたしに何もプレゼントくれないんだもん。なのに、自分だけこんなに買っちゃって…」
自分の妹が勝手に自分のパンツを穿いている姿と、紛れもない事実を突きつけてきたあきなに、ふぐりんは何も言うことができませんでした。


どうしてもパンツをかえしてほしいふぐりんは妹に頼み込みますが、妹は一歩も譲ろうとはしません。
「…じゃあ、わたしがいったことやってくれたらかえしてあげる。」
「え・・・何…」
ふぐりんは少しいやな予感がしつつも訪ねました。
「これを着て町の中を歩いてくれたら、かえしてあげてもいいわ。」
「それは・・・」
妹が持ってきたもの・・・それは妹が集めている女子用の競泳水着で、しかもやや切れ込みはきわどく設定されているものでした。
「なんで・・・僕がこんなの・・・」
ふぐりんは文句を言おうとしました。しかし、妹は一瞬にやっとして、
「だって・・・わたしも男物着ているのよ」
といいながらエプロンをはずし、競パン1枚の体をさらけ出しました。
「ちょ・・・わ・・・わかったから・・・」
ふぐりんはあふれ出してくる恥ずかしさを前に、妹の言うことを聞かざるをえませんでした。

何とか周囲の視線に耐えながらも、町の中を一周してなんとか競パンを取り返したふぐりんでした。
それからというもの、あきなは女子用の水着を着ている写真を見せてはいろいろとねだるようになったのでした。
そして、決まってそのとき、あきなは競パン1枚になっていたのです。


おわり