PHASE1 The Hero

「ただいまー」
中学校から帰ってきたあたしは家の玄関を開けた。
「…あれ?お兄ちゃん帰ってるの?」
家のリビングにはあたしの兄が寝ていた。
「あれ、あきな・・今帰ったんだ…」
兄は眼をこすりながらこういった
「…お兄ちゃんったら…いくら服を着ると暑いからってまだ4月よ…」
あたしの兄は学校へ行くとき以外はビキニの競泳パンツ1枚だ。
しかも昨日履いていたarenaのパンツとは違っている。(資料@の競泳パンツをはいてます)
こんな格好で外を歩くと通報されそうだが…どういうわけか黙認されている。建前上はこんな格好されてしまうと恥ずかしいと思うのだが…端正な顔だちと十分鍛え上げられたからだ、そして競泳パンツ越しに見るふくらみ…腐女子の気があるあたしには充分に萌えさせるものだ。
「…まったく、鍵もかけずに裸でいるなんて…あたしにとっても暑いぐらいだわ」
といいつつ自分も制服を脱いで競泳水着1枚(資料A)になった。
 
紹介が遅れていた。あたしの名前は猫野秋那。今年から中学校に入ったばかりだ。
自慢じゃないがこれでも容姿端麗でクラスの男子からすごく人気がある。
ここにいる競パンフェチのあたしの兄は猫野風栗、通称ふぐりん。両親が外国に赴任してからは
あたしと兄と二人暮し。よく兄と一緒にいるせいか兄とは嗜好が一致することが多い。
実際あたしは兄よりも多くの種類の水着を集めているし、家の中でも水着姿のことが多い。
それに、あたしには兄に似て好きなことがもうひとつある…
その日の夕方、兄は書置きを残していなくなっていた。
「今日もアルバイト。夕飯一人で食べてて ふぐり」
アルバイト…兄はこのようにごまかしているつもりだろうが、あたしは兄が陰で何をやっているのか
知っている。あたしは兄の部屋の前にきていた。
「ふふふ…今日も鍵あいてる…」
あたしは兄の部屋にあった猫耳カチューシャをとると、それをとって兄の部屋にある秘密の扉へと入っていった…

そのころ…その星のある地域では、巨大な怪獣が大暴れしていた。
「A国NY州にて、環境汚染により生まれた魔獣、ポリュートが大暴れしています。」
怪獣ポリュートはまるで機械の体でできていて、そこから排気ガスや汚染物質を出して町を攻撃していた。
その星の治安を守る管制塔では、
「大変だ…サフィアガタスオメガを呼ばなくては…」
「しかし、彼は現在…NK国の巨大ミサイルを攻撃しているはずです…」
「そうか…まさか同時進行で敵襲があるとは…ガタスオメガを世界に分散させたのが間違いだったのか…」
そのころ、サフィアガタスオメガはNK国で巨大ミサイルを分解すべく巨大な要塞を破壊しようとしていた。
サフィアガタスオメガ…それは17歳ぐらいの少年が青い競泳パンツ姿に猫耳という格好だった。
そう、あたしの兄ふぐりんはサフィアガタスオメガとかいうヒーローに変身して、町を破壊、もといこの星の平和を乱す連中と戦っている。そのために町が壊されちゃうのはまあ仕方ないよねってことで。
それにしてもサフィアガタスオメガって今日も戦ってるけどすごく苦戦してるみたい。なんでも巨大ミサイルがたくさんある上に装甲が硬くて、おまけに下手に爆破させられないし…
(くっ…なんでこんなときに出動要請が…しかもここから遠いし…でもここのミサイルもつぶさないと…)
それじゃあ、なんか苦労してるみたいだし、あたしが一回やりたかったことやっちゃおうかな!

秘密の穴の中から出てきたあたしは、怪獣がいるっていうNY州に来た。
(わあ!すごく大きくなってる…あそこにいるのは怪獣ね)
あたしは競泳水着に猫耳という姿のまま巨大化していた。
(怪獣さんいらっしゃい…)
「やい、怪獣…町で暴れてくれたな!このサフィアガタスオメガ2号様が許さないぜ!」
そういうとあたしは尽かさず怪獣にキックを飛ばし、ついでに周辺の建物や車を壊してしまった
(やっぱりやっちゃた…でもここの建物自体あくどい連中みたいだし…目いっぱいやっちゃお)
あたしはキックを出したりパンチを出したりやりたい放題やった。
あたしが兄に似て持っているもうひとつの趣向…それは巨大化して悪者達をやっつけたり、悪者達の町を壊したりすること…
「オラオラ!もっと食らえ!」
あたしは結局ポリューテッドをフルボッコにしたうえ、周りの黒い疑惑がいろいろあったコンビナート群をぼろぼろに破壊していた。

―――――――――――――そのころ、異次元にある管制塔では…
「あの女の子は何だろう…」
「なんかサフィアガタスオメガ2号っていってたみたいだし…。まあ、いいか…」
サフィアガタスオメガはミサイルをすべて破壊し終わった。
「ふう…大変だ…怪獣を倒しに行かないと」
彼は急いでNY州に向かった―――――――――――――

「あ…そこにいるのは…」
サフィアガタスオメガが見たのは競泳水着に猫耳をつけて巨大化していた自分の妹だった
「…ふぐりん?」
「こら!あきな!あれほど僕の部屋に入るなって…」
「…だって…あたし…」
あたしは兄があたしのことを危険な目に合わせたくないことは知っていた。だけど、やっぱりあたしはふぐりんの妹…血は争えないわ。
「…でも、今回は助かったよ…」
「どうもありがとう…」
「…一緒に帰ろうか…」
そういうと兄とあたしは自分の家がある寅島市まで飛んで帰った。

(続く)