第6話
おつかい (01/08) 02/06/24


天気の良い土曜日の午後、風栗は自分の部屋のベッドの上に寝転がって本を読んでいました。
今年から土曜日も学校がお休みになったので、外出しない日は好きな本を読んで過ごすことにしていました。
「ふぐちゃん!ちょっとおつかいに行ってきてくれない?」
風栗を呼ぶお母さんの声が階段の下からしました。
お母さんの声は2階の風栗の部屋まで良く聞こえます。
風栗はベッドから起き上がると部屋を出て階段を降りていきました。
「いいよ!でも、今度はちゃんと値段を指定してよね!」
風栗は半ば怒った様な顔をしてお母さんをにらみました。
「わかったわよ!今度はメモ渡すわよ」
実は、この前のおつかいで風栗はカレーのルーを頼まれたのですが、
風栗が割引のない一番高いルーを買ってきてしまったので、お母さんから怒られてしまったのでした。
「だって、あの時はふぐちゃん、何も聞かないんだもの…」
「も〜!お母さんが言わないからだよ」

風栗はお金とメモを受け取って自転車に乗るとスーパーに向けてペダルをこぎました。
風栗の家から15分ほど行ったところに大きななショッピングモールがあります。
そこはスーパーの他に映画館やレストラン街などの施設が充実しており、
休日は家族連れでとても賑わう場所になっていました。
風栗はショッピングモールに着くと早速、食品売り場に向かいます。
「ええと、大根とジャガイモ…それに…」
風栗はメモを見ながら買い物をはじめました。




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