第7話
てんこうせい (01/08) 02/10/08


秋晴れの日曜日、風栗は中心街に行くバスに乗っていました。
風栗は月に1回の学力試験を受けに学習塾へ向かっているのでした。
「先月は成績下がっちゃったからなぁ…今日はがんばんないと」
成績が下がったのも風栗は巨大化できる力をもらってから何かと事件続きなので
落ち着いて勉強ができないからでした。
「まぁ、ボクは正義のヒーローなんだし仕方ないよね…」
言い訳のように風栗はそう自分に言い聞かせると車窓に目をやりました。
空は澄み渡り今日はとってもいい天気です。
「んん?」
その時、青く晴れ渡った空にぽつんと黒い影が現れたかと思うと、次第に大きくなってきました。
どうやら、かなりのスピードで地表に向かって落下しているようです。
風栗が興味を示している間にぼんやりとしたその影はハッキリとした輪郭になりました。
「人だ! ええっ…!?」
風栗が叫んだのと同時に巨大な人影は轟音と共にビル街に着地しました。
辺り一面凄まじい衝撃が走り周囲のビルが次々と吹き飛ばされていきます。
「うわっ!」
その衝撃はすぐに風栗が乗っていたバスを捕らえると風栗の体を宙に浮かび上がらせました。
風栗は身構える間もありませんでした。




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