第7話
てんこうせい (08/08) 02/12/30


戦いから一夜明けた翌朝は一段と秋が深まって空気が澄んで感じられました。
風栗はいつもの通り学校に向かいます。
「ねぇ…猫野くん。今日から転校生が来るんだって!」
席に座ると隣の女の子が風栗に話し掛けてきました。
「そうなんだ…」
風栗は昨日の戦いのことがまだ気になっています。
風栗のリアクションがあまり良くなかったせいか、女の子は少し機嫌を悪くしてしまいました。
その時、教室のドアが開いて先生が入ってきました。
「はいはい。みんな朝の会だぞー。席につくんだ」
あちこちのグループに固まっていた生徒たちはそれぞれ自分の席に戻っていきます。
「今日は新しい友達を紹介するからな。さぁ、中に入って…」
手招きとともに金髪の転校生が教室に現れると教室中がざわめき始めました。
「はーい!静かに!今日から新しいクラスメイトになるマンクスさんだ。
何でも家の事情で遠い国から引っ越してきたそうだ。みんな仲良くしてあげるんだぞ!いいな?
じゃあ…自己紹介してもらおうか」
ひそひそ話が続く中、みんなの視線が教壇上の転校生に集まります。
「オレ、マンクス。よろしくな」

少し照れながら喋る転校生の意外な挨拶に教室は静まりかえりました。
「おいおい…"オレ"じゃないだろう?まぁ、まだ日本に来たばかりだから仕方ないか」
先生は軽く笑いながら、空いている席に座るようマンクスに指示しました。
席に移動する途中、マンクスはチラッと風栗に目をやりました。

視線に気付いた風栗が不思議そうに見返すとマンクスは慌てて視線を外します。
「あれ? もしかして…」
風栗は昨日戦った少年のことが頭によぎりましたが、すぐにその考えを打ち消しました。
「まさかね…女の子だし…そんなことあるわけないよね」
歩く度になびくマンクスのくせ毛を見ながら風栗はそう思いました。
<おわり>


本日の被害状況 寅島警察署・寅島消防署調べ
加害者
人的被害
建築物被害
車輌被害(全損のみ)
 
死傷者
行方不明
全壊
半壊
中・小型車
大型車
鉄道
船舶
航空機
blue cat
2,941
2,569
712
1,362
198
26
4
0
0
black cat
3,557
1,318
844
1,230
357
32
2
0
0
不明
349
695
126
267
63
5
0
0
0



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