第7話
てんこうせい (07/08) 02/12/24


「………?」
風栗はどうして少年が攻撃を止めたのか分かりませんでした。
少年は立ち上がると照れくさそうに自分の服についたガレキを払いのけ始めました。
そして泣き顔の風栗に少し目をやると、少年はくるっと回って背を向けました。
「今日のところはこれぐらいにしておいてやるよ」
「え…? どういうこと? ちょっと待ってよ!」

少年は立ち去ろうとしましたが、風栗はすぐに呼び止めました。
「ねぇ、キミの名前は…?」
「え? あぁ、オレはマン…じゃない!ん〜っと、ブラックキャット!ブラックキャットだ!!」
「ええ〜っ!?」
急に焦り始めた少年を見て風栗は不思議に思いました。
どうやら、何か訳があるようです。
「じゃあ、またな」
少年は振り返ることもなく少し歩くとすっと姿を消しました。
「一体、どういうことなんだろ…」
あたり一面ガレキと化した街中でたたずむ風栗は
あまりに唐突な戦いの終わり方に呆然としていました。




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