巨大化した風栗は怪獣を追って住宅街に足を踏み入れました。
もちろん、風栗が歩けるようなスペースはないので、風栗は遠慮なく次々と家屋を踏み潰していきます。
「どーこーだっ?」
風栗は注意深く住宅街を眺めますが、どうやら怪獣は地中深くに穴を掘っているようです。
穴は400〜500メートル間隔であちこちに空いていて、たまに顔を出して様子をうかがっています。
「あー!見つけた!」
約1キロ先の穴から顔を出した怪獣めがけて、風栗は足元の建物を踏み散らしながら走っていきます。
ところが、風栗がたどり着くと同時に怪獣はさっさと穴の中に逃げ込んでしまいました。
風栗は穴に手を入れてみましたがかなり深く、とても捕まえられるような状況ではありません。
「どうしよう…」
風栗がふと振り返ってみると、怪獣が飛び出してきて挑発を繰り返しています。
「調子に乗って…絶対許さないから!」
でも、追っかけたところで穴に逃げるに決まっています。風栗は途方に暮れてしまいました。