第10話
プール (06/08) 04/06/12


「お前は誰だフグ?」

風栗が声の方を振り向くと、そこにはプカプカと浮かぶ怪獣がいました。
風栗たちを不審な目つきでにらんでいます。
「ぼくはブルーキャットだ。お前を退治する!」
戦う気持ち満々の風栗は、足元の雑居ビルを踏み潰しながら怪獣に近寄っていきました。
「フグフグ〜っ!」
怪獣は少し膨らんだかと思うと、風栗を目掛けて水を吐き出しました。
「うわわっ!」
予想もしなかった攻撃に風栗は体勢を崩して片膝をつきました。
その激しい振動で、周囲のビルが崩れ落ちていきます。
「何なんだよ…」
風栗は身体をひと振るいさせて水を払うと、怪獣をにらみつけました。
そして立ち上がろうとしましたが、急に力が抜けていく感覚を覚えました。
「あれ…?」
風栗は立ち上がることができません。
「しびれ水を浴びて動けるやつはいないフグ」

怪獣はゆっくりと浮かびながら風栗に近づいてきます。
風栗はどうすることもできずに尻餅をついてしまいました。




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