第11話
にせもの (09/10) 05/02/20


正体を現したペルシャは握りつぶした電車を投げ捨てるとマンクスのそばに駆け寄りました。
「ねぇ! こんなとこにいないで帰ろうよ」
「やだ! 帰らないぞ」

マンクスはプイと背を向けました。
「マンクスがいなくなって寂しかったんだから…ねぇ、聞いてる?」
「うるさい奴だなぁ…どこにいようとオレの勝手だからな!」

どうやらこの2人は知り合いのようです。風栗は呆気に取られてただ2人の会話を聞き入るだけです。

「こんな星にいて何が楽しいの?」
「やかましい! あっち行け!」

とうとうマンクスは怒り始めました。
「ふーんだ!」
今はこれ以上押しても無駄だと悟ったペルシャはスッと反転すると
腹いせに足元のマンションを思いっきり蹴りつけました。
「絶対諦めないから…」
砂塵を巻き上げて崩れ落ちるマンションを見ながらペルシャは小さな声でつぶやくと姿を消しました。
「あーあ、やっかいな奴が来たな…」
「一体どういうことなの?」

風栗が心配そうにマンクスに語りかけます。
「お前には関係ないことさ…」
マンクスは風栗の問い掛けに答えようとはしませんでした。




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