第1話
へんしん (04/12) 01/08/04


不思議なことに風栗はとても落ち着いていました。
そしてこれが例の危機だとすぐに察しました。
「あれを使ってボクが何とかしなきゃいけないんだ!」
みんなが教室から逃げ出す中、風栗はランドセルからカチューシャを取り出して
右手でしっかりと握りしめると、一人で校舎の裏側に走っていきました。
ねこみみのお兄さんとの約束を覚えていたのです。
学園中がパニックに陥っていたので風栗に気が付く生徒も先生もいませんでした。
「でも、いったいボクに何ができるんだろう…」
走りながら風栗は少しずつ不安になっていきました。




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