次の瞬間、風栗は全身に強い衝撃を受けました。
怪獣が体当たりで風栗を突き飛ばしたのです。
風栗は後ろに500メートルもはじき飛ばされました。
「痛ったぁ…」
その時、風栗はお尻の下で何かをブチブチッと潰しているような感触を受けました。
巻きあがった砂煙が少しずつ晴れていくと
手元や足の間に見覚えのある色の小さな箱が散らばっていました。
「ウソっ…!」
風栗が滑り込んだ場所はいつも通学に使っている駅でした。
駅舎は押し潰されてメチャメチャになっていました。
退避中だった電車も潰れたりひっくり返ったりで酷い状態でした。
駅にはたくさんの人がいたはずです。
「……仕方ないよ」
風栗は自らの存在自体が大変な凶器であることを悟ったのです。
悲しみの感情を通り越して、何かが吹っ切れたのか風栗は開き直りました。
こんなに巨大な身体でいる限り被害が出て当然です。
「怪獣退治が最優先だ!」