再び風栗に闘志が湧いてきました。
ガレキや電車を払いのけて素早く立ち上がると、怪獣とは逆方向に走り始めました。
そこにはビルが足の踏み場もないほど建ち並んでいましたが、もう風栗は気にしていません。
正義のためには多少の犠牲が出ても仕方がないのです。
ビル街を蹴散らしメチャメチャにしている自分にそう言い聞かせました。
約1キロ走ったところで風栗はクルッとUターンしました。
そして今度は怪獣めがけて走り始めました。
素晴らしいスピードで次々とビルを踏み潰していく風栗。
風栗の足の直撃を免れた周囲の建物も激しい衝撃で次々と崩れていきます。
怪獣の300メートル手前で風栗は宙に舞い上がりました。
「これでも…くらえっっ!!」
もの凄いスピードで蹴り込んだキックが見事に怪獣に命中しました。
「ペペペペペペペーン…」
凄まじい叫び声を残して怪獣は空間に消え去っていきました。