第2話
ちからだめし (05/09) 01/10/22


その時、風栗は駅から電車が走り出すのに気が付きました。
「あ、逃がさないぞ!」
すぐさま、電車の前方に回りこむと高架橋もろとも電車を蹴り上げました。
風栗としては軽く蹴り上げたつもりだったのですが、凄まじい砂煙と共に電車は空高く舞い上がり、
引きちぎれてバラバラになって落下しました。
電車の落下地点に目をやるとホームには他にもたくさん電車が停車しています。
「電車に乗って逃げるかもしれないよね…」
そういうと風栗は容赦なく次々と電車をホームごと蹴りつけていきました。
ホームの下には商店街や事務所がありましたが、風栗の連続キックの巻き添いになり粉砕されていきます。
高架駅はまたたく間に風栗の圧倒的なキックの破壊力によってガレキの山に姿を変えていきました。
「これでもう電車じゃ逃げられないね」
風栗はホームの端に残っていた最後の1両を得意そうに踏みつけました。
立ち込める砂塵の中、電車は高架ごと風栗の右足の下に消えました。




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