第2話
ちからだめし (06/09) 01/10/25


「逃げ道は潰したし、あとは隠れやすいところを見つけないとね…」
ガレキの山となった駅を踏みつけながら風栗は再び駅前に戻ってきました。
10階建てのオフィスビルが風栗の目にとまりました。中腰になってビルの中を覗き込みます。

「ここもあやしいなぁ」
風栗はすっと立ち上がると勢いをつけて70〜80メートルほど跳び上がりました。
「えいっ!」
着地地点は覗き込んでいたオフィスビルでした。
風栗の全体重がかかった両足は一瞬にして全てのフロアを踏み砕きました。
物凄い爆音とともにOA機器や机やロッカーなどが散乱し砂煙に混じって巻き上がります。
激しい衝撃は隣接するビル数棟を半壊させ、付近を走っていた車やバスを横転させました。
「あれ?ここにもいなかったみたいだね」
着地して座り込んだ風栗は足元の潰れたコンクリートの塊を見下ろしながら満足そうな顔をしました。
「しょうがないなぁ…」
風栗は立ち上がると駅前に立ち並ぶビルに次々とキックを浴びせていきました。




戻る  目次へ 次へ