わずか5分足らずで商店街を潰滅させた風栗は手付かずのオフィス街を目指しました。
「あとはこの辺を残すだけだね…」
この辺りのビルは立派なものが多く、どれを力試しの対象にするか風栗はビルの品定めを始めました。
風栗の目にとまったのはこの街で一番高いビルでした。背丈は風栗の倍はあります。
「ここに隠れているかもね…よ〜し、ボクのとっておきの技で退治しちゃうぞ!」
ビルから少し離れた風栗は大きく深呼吸をしました。
そして、くるっと回って反動をつけた左足をビルに炸裂させました。
風栗の美しい回し蹴りを浴びた部分は砕け散り、ビルは真っ二つになりました。
折り取られた上半分が大量の砂煙を撒き上げながら砕け落ちていきます。
「もろいなぁ…」
あまりのあっけなさに風栗は不満のようでした。ですが、自分のキックを浴びて
無事なものがこの世にあるはずのないことも十分に分かっていました。
「街の人には悪いけど、もう少し試し蹴りでもしようかな」
ビル街に踊り出た風栗は手当たり次第にビルを蹴り始めました。