「こ、これでどうだパパン…」
窮地に陥った怪獣は買い物客で賑わう駅前のデパートを人質にとりました。
今日は日曜日、少なく見積もっても数千人は建物の中にいるはずです。
「キミも懲りないね」
そんなうろたえた怪獣の行動を見ながら風栗は少し笑うと後ずさりを始めました。
足元には雑居ビルがびっしりと立ち並んでいたのですが、風栗は全く気にすることなく、
まるで踏み潰すのを楽しむかのようにガシャガシャとビルを粉砕していきます。
「ビルだらけで歩きにくいや…」
風栗のスラリと伸びた足が地面に撃ちつけられるたびに、街中に凄まじい衝撃が広がります。
その衝撃と共に周囲のビルが次々と崩壊していきます。
「おいおい…パパン」
街を踏み荒らしても何とも思わない風栗を見て怪獣は徐々に心配になってきました。