第4話
しゅくだい (04/06) 02/01/28


風栗はしばらくの間、水が流れるのを楽しそうに見ていたのですが
しばらくして異変に気付きました。
「あれれ?何か音がするぞ…!?」
よく見るとダムのあちこちに亀裂が走ってコンクリートの割れ目から水が噴き出しています。
風栗が水門を破壊した上に、その途方もない体重でのしかかっていては
いくら頑丈に造られているダムとはいえ、耐えることはできるはずもありません。
後ろを振り返った風栗は満々と水をたたえている湖を見て焦りました。
ダムが決壊すると下流の街はひとたまりもないでしょう。
「やばっ!」
さすがの風栗も悪戯が過ぎたと思い、急いで立ち上がるとダムをひと跨ぎしました。
ダムの表面に座ると背中でダムが崩壊しないように押さえました。
ですが、水圧に負けたコンクリート塊が次々と飛び出して風栗を襲います。
「ああ〜ん!もうダメだよぉ〜!」
風栗の必死の願いもむなしく、ダムは水煙に飲み込まれて一気に崩れていきます。
凄まじい水流とともに風栗は下流に押し流されていきました。




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