第5話
トライアスロン (03/09) 02/03/12


砂浜に戻ってきた風栗はバッグを置いているテントまで走りました。
急いでバッグを開いた風栗はねこみみカチューシャを取り出してかぶろうとしましたが、
水泳帽をかぶっていることを忘れていました。
風栗は剥ぎ取るように水泳帽を脱ぎ捨てると、しっとりと濡れた髪にカチューシャをのせました。
まもなく風栗の体は光に包まれ巨大化していきます。
「あれ…?」
変身を終えた風栗はいつもと違う何かを感じました。
なぜなら、いつも見慣れたコスチュームと異なっていたからです。
「なんだよ…これ…はずかしいよぅ」
それもそのはずです。前はかなりのハイレグでかろうじて股間を隠している程度でしたし、
後ろはTバックでほとんどおしりが露出しています。
小学校5年生とはいえ、少しながら性を意識し始めた風栗にとっては少し辛い格好でした。
ですが、今は非常事態でそんなことは言っていられません。
「ま、動きやすそうだからいっか!」
開き直った風栗はすっと立ち上がると怪獣を目がけて海に走り込んで行きました。




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