この辺りの海は遠浅で水面は風栗のひざ下ほどでした。
風栗は凄まじい水しぶきをあげながら走っていきます。
風栗は怪獣がいる場所に着くと同時に得意の回し蹴りを撃ち込みました。
「えいっ!」
10階建てのビルなら1発で粉砕してしまうほどの風栗のキックを浴びながらも
怪獣の表情は変わりませんでした。
「え? じゃ、これでもくらえっ!」
今度は風栗は左足でストレートキックを怪獣にお見舞いしました。
ところが、怪獣は痛がる様子も見せなければ余裕たっぷりの様子で何も感じてはいないようです。
「お前は誰だイカ?」
「え…ボクはブルーキャット。今日は黒っぽいコスチュームだけどね…」
およそ喋るとは思えない怪獣が話しかけてきたので、風栗は素で答えてしまいました。
「残念だがオレにはそんな攻撃は効かないイカ…」
どうやら体がとても軟らかいこの怪獣には風栗のキック攻撃は全く効果がないようです。
「悪戯が過ぎるお前に少しお仕置きをしてやらんとイカ」
そう言うと怪獣は呆然とする風栗にゆっくりと触手を絡めてきました。