第5話
トライアスロン (06/09) 02/03/31


500メートルも投げ飛ばされた風栗は派手な水しぶきを巻き上げて着水しました。
「…痛てて」
急いで起き上がった風栗は濡れた前髪を軽く払うと怪獣の方をにらみつけました。
怪獣たくさんの腕を躍らせながら陸地の方へゆっくりと向かっています。
「やっつけなきゃ!街が壊されちゃうよ!」
ですが、どうやって攻撃すればいいのか風栗は思いつきません。
ふと周りを見渡すと近くにフェリーが浮かんでいるのが目に止まりました。
「あれだ!」
風栗はフェリーに近寄り両手で軽々と持ち上げると小脇に抱えたまま怪獣を目がけて走っていきました。
「えいっ!」
船内にはまだ乗客が残っていましたが、風栗は全く気にする様子もなくフェリーで怪獣を激しく殴りつけました。
「そんな攻撃は効かないといったはずイカ…」
怪獣は余裕の表情を見せ再び風栗に触手を巻きつけようとしました。
ところが、何度も風栗が激しく殴りつけたためにフェリーは大破し積載していた車が飛び出してきました。
「あ、熱いイカ!」
こぼれ落ちてきた車が怪獣の体に当たって次々と爆発していきます。怪獣は大変な慌てようです。
「キミの弱点が分かったよ!」
風栗はそう言うとメチャメチャにしてしまったフェリーを海に投げ捨てました。




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