第6話
おつかい (04/08) 02/07/17


「あれ?おかしいな…」
すでに風栗はショッピングモールの半分をメチャメチャに踏み潰していましたが、
怪獣の気配を感じることはできませんでした。
風栗は攻撃をやめてあたりを見回すとモールに隣接する立体駐車場に目を留めました。
「う〜ん、あそこかなぁ…?」
この駐車場は街で一番大きなもので1000台以上の車を収容することができます。
今日は土曜日の午後だけあって駐車場はほぼ満車状態でした。
モールを踏みつけながら駐車場までやってきた風栗はしゃがみこむと中を覗き込みました。
薄暗い場内はたくさんの車が出口を求めて殺到し大混乱になっています。
そんな中、風栗はひしめく車を弾き飛ばしながら動く大きな毛むくじゃらの塊を見つけました。
「み〜つけたっ!」
風栗は立ち上がって駐車場に足を踏み入れると派手に足踏みを始めました。
駐車場は瞬く間に粉砕されていき中に閉じ込められた車が次々と爆発していきます。

「ほらほら…隠れてないで出ておいでよ!」
そう言うと風栗は駐車場にめり込んだ右足を思いっきり蹴り上げました。
凄まじい破壊力を持った風栗のキックは駐車場をいとも簡単に切り裂いていきます。
大量の鉄骨やコンクリートと共に逃げ遅れたたくさんの車が弾け跳んでいきます。
「な、何するでチュ〜!」
キックの直撃を喰らった怪獣は駐車場から蹴り飛ばされて外に放り出されました。




戻る  目次へ 次へ