第6話
おつかい (05/08) 02/07/27


「あは!やっと出てきたね!」
風栗は複雑な形になった駐車場を踏みつけて片付けると怪獣をにらみつけました。
「さてと、どうやって退治してあげようかな…」
巨大化した風栗から見れば怪獣はとても小さく足首ぐらいしかありません。
風栗が怪獣を踏み潰そうとして右足をあげた瞬間、怪獣が飛び掛ってきました。
「よくもやってくれたでチュ〜!」
怪獣は風栗の顔に飛び込むと四足でペタリと張り付きました。
「うわわわぁぁぁっ!!」
楽勝だと思ってすっかり油断していた風栗は慌てました。
しかも、怪獣の堅い毛が風栗の顔をなで回して気持ち悪いことといったらありません。
突然の出来事にパニックに陥った風栗はバランスを崩してショッピングモールに倒れこむと
屋上に派手にしりもちをつきました。
風栗のおしりは凄まじい破壊音と砂塵を巻き上げながら建物を一気に押し潰していきます。
「は、放してよぉぉ…」
そして、風栗は怪獣を引き外そうとして横になったまま転がり始めました。
別棟の映画館は風栗の太股に挟み込まれるとあっという間に粉砕され、
隣接するレストラン街は風栗の両腕で次々と叩き潰されていきました。
ついさっきまで買い物客で賑わっていたショッピングモールは
風栗によってメチャメチャに破壊されていきます。
「も、もうだめでチュ…」
風栗があまりに激しく転げ回るので怪獣は振り飛ばされてしまいました。




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