第7話
てんこうせい (04/08) 02/11/17


「ねぇ…ちょっと!待ってよ!」
「うるさいっ!」

少年はビルを踏み潰しながら風栗に向かってきます。
できれば戦いを避けたいと思った風栗は、少年を何とか止めようとしましたが
少年は全く聞く耳をもたないようです。風栗は応戦するしかありませんでした。
少年は風栗の腕を掴むと物凄いパワーで風栗を押し始めました。
「うわっ…」
風栗は足元のマンションと雑居ビルを交互に踏み潰しながら後退していきました。
少年が繰り出す凄まじいパワーに風栗は驚きましたが、ここで負けるわけにはいきません。
風栗はありったけの力を振り絞ると、少年をじわじわと押し返していきます。

街は巨大な少年たちの途方もない力くらべによって大混乱に陥りましたが、
2人ともそんな足元の状況に構うことなく、立ち並ぶビルをと容赦なく次々と踏み砕いていきます。
取っ組み合いが始まってから僅か数分で2人は100棟を越す建物をガレキに変えてしまいました。
「どうした?本気出せよ!」
少年の言葉に風栗は焦りました。風栗はほぼ全力を出し切っているというのに、
少年は全く動じた様子もなく、その表情からは余裕すら感じられるのです。
「…っ、そんなぁ…」
風栗は少年の動きを止めるだけで精一杯になってきました。




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