第8話
きょうそう (02/08) 03/04/29


駅に着いた風栗はいつものように電車に乗りました。
後をつけてきたマンクスも風栗に気付かれないように隣りの車両に乗り込むと
注意深く風栗の動向を探り始めました。
「確か、次の駅だよね…」
お母さんにお使いを頼まれていた風栗は途中の駅で電車を降りると
そのまま駅前の通りを歩き始めました。
「ええと…どこかな?」
風栗はメモに書かれた目的地までの地図を見ながら歩いていきます。
風栗のやや後ろをつけて来たマンクスですが、そろそろしびれを切らしてきました。
「この辺でいいだろ…」
そう言うとマンクスは路地裏に入り巨大化を始めました。
マンクスの身体は周囲のビルを押し潰しながら大きくなっていきます。
巨大化が終わったところでマンクスは足元を見据えました。
「出て来いブルーキャット!そこにいるのは分かっているんだぞ!」
突然あらわれたブラックキャットに風栗は驚きました。
「ええっ?あれはブラックキャット…!? でも、どうしてボクのことを?」
風栗は呆然と空を見上げることしかできませんでした。
「どうした?早く出てこいよ!でないと…」

ニヤリと笑ったマンクスは足元の雑居ビルを踏みつけました。

すると凄まじい砂煙とともに風栗の身体は吹き飛ばされてしまいました。
「…痛ててっ」
幸い風栗には怪我はありませんでしたが、目の前のビルはガレキの山に姿を変えていました。
「こんなことして…許さないぞ!」
風栗は制服についた埃を軽く払うと走り始めました。




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