第8話
きょうそう (06/08) 03/06/01


ブラックキャットは車やバスを蹴散らしながら、素晴らしいスピードで大通りを駆け抜けていきます。
ゴールの建築用クレーンの細かい骨組みがブラックキャットの目にハッキリと映りました。
「引き抜いてあいつに叩きつけてやろうかな…」
クレーンで叩きつけられて痛がるブルーキャットの表情を想像しながら
ブラックキャットが余裕の笑みを見せたとき、ふいに目の前の景色が崩れました。
「うそっ…!?」
ブラックキャットは大通りの下に広がる地下鉄の駅を踏み抜いてしまったのです。
地下鉄のホームまで達したブラックキャットの右足は停車中の電車を踏み潰してしまいました。
「うわぁぁ…」
ほぼ全速力で走っていたブラックキャットは、足を取られたまま成すすべもなく大きく体勢を崩すと
通りに面したビル街へ凄まじい勢いで頭から突っ込んでいきました。
ブラックキャットは体勢を立て直すこともできないまま、激しく撒きあがる砂塵と共に
次々とビルをなぎ倒していきます。
その巨大な身体は一瞬のうちに数十棟のビルを押し潰してしまいました。




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