第8話
きょうそう (07/08) 03/06/09


「痛ててっ…」
あまりに突然の出来事でブラックキャットは顔面をイヤというほどビルにぶつけてしまいました。
幸いケガはないようですが鼻先を少し擦りむいたようで痛みます。
「ねぇ…大丈夫?」
振り向くとそこにはブルーキャットが立っていました。
手にはしっかりとクレーンが握りしめられています。
「地下鉄に足を取られたんでしょ…道路を走るときは気をつけなきゃ!」
「う、うるさぁぁい!」

自分のミスを認めたくないブラックキャットは大声で叫びました。
「でも、この勝負はボクの勝ちだからねっ」
「ふん! まぁ、いいや…今日のところは許してやるよ」
顔面を強打したせいかブラックキャットの戦意はすっかりなくなり、
得意気なブルーキャットを尻目にブラックキャットはスッと姿を消しました。
「やったぁ!何とか街を守れたぞ!」
風栗は嬉しさのあまりクレーンを振り回しました。
するとロープの先端に縛ってあった鉄骨がバラバラと飛び散っていき、ビルに突き刺さったり
停車中の車を次々と押し潰していきました。
「うわわっ…ごめんなさいっ!」
余計なことをしてしまったと風栗は反省するのでした。




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