第9話
ひみつ (03/09) 03/10/06


2人はもつれ合うようにグラウンドに倒れこんでいくと、砂埃をあげながら何度か回転していきます。
風栗はマンクスの身体の上に覆い被さる状態でやっと止まりました。
「…痛てて」
「重いだろ!早くどけよ!」
「ごめんごめん…」

風栗が起き上がろうとして手をついた場所は、マンクスの股間でした。
「……!」
風栗はやわらかい感触を感じると同時に驚きました。それは明らかに男の子の股間だったのです。
「いつまで触ってんだよ!」
その声にせかされて風栗は手を離すと、マンクスの顔をじっと見つめました。
「マンクスって男の子だったの…!?」
「そういうお前はブルーキャットだろ」
「え…!」
自分しか知らないはずの秘密をマンクスに告げられて風栗は焦りました。
ですが、風栗もマンクスが何者であるかを悟ったのです。
「ということは、キミがブラックキャットだね…」
「ま、そういうことになるな」

見つめ合った2人はしばらく黙り込みました。




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