第10話
プール (03/08) 04/05/15


「だいぶ上手くなったね!」

練習を始めて僅かの時間でしたが、マンクスの平泳ぎは様になってきました。
「そろそろ端まで泳いでみてもいいんじゃない?」
「そうだな」

風栗の言葉にマンクスは得意気な顔を見せました。
「じゃ、あっちの大きなプールに行こうよ」
風栗は隣りにある競技用プールにマンクスを誘います。
その時、鈍い振動音が響き、建物全体を揺さぶりました。
「…?」
風栗がひびの入った壁面のガラスに目をやると、そこには丸い大きな黒い影が浮かんでいました。
「何だ…あれ?」
風栗が不思議そうな顔をしている間にその影は壁面いっぱいに広がり、
ガラスを突き破って屋内に侵入してきました。
ガラスが割れる音と崩れ落ちる鉄骨でプール内は大混乱です。
黒い影の正体は宙に浮かぶ怪獣でした。
怪獣はプールの上で止まると、物凄い勢いで水を吸い始めました。
「大変だ!早く退治しなきゃ!」
風栗は慌ててプールからあがりました。




戻る  目次へ 次へ