第11話
にせもの (02/10) 04/12/06


風栗とマンクスを乗せた電車は市街地へ入っていきました。
雑談にふけっていた二人でしたが、風栗はふと、いつもの電車の揺れとは違う振動に気がつきました。
「この揺れ、何だろ?地震かな?」
「さぁ」

そっけないマンクスの答えに風栗は少しふくれながら、振り返って窓から外を確認します。
そこには、線路沿いのビルを次々と踏み潰していく、見慣れた『自分』ブルーキャットの姿がありました。
「ええーっ! 何でボク…いやブルーキャットがあんなとこに!?」
風栗は急いでカバンの中を確認しましたが、変身用のカチューシャはちゃんと入っています。
「ということはあれは偽者…?」
破壊の限りを尽くすブルーキャットに風栗は呆然としています。
「偽者もやってることは本物と変わんないな…」
呆気にとられている風栗の後ろでマンクスが冷静に分析しました。
「それってどういう意味だよ!」

風栗はマンクスに抗議しようと振り向きましたが、大きな振動が来てあわてて握り棒につかまりました。
「うわわ! 大変だぁ!」
風栗はどうしてよいか分からずパニックになりかけました。




戻る  目次へ 次へ